K氏の外泊エピソード

終末期の患者さん。食事も進まなくなっており、大好きなうなぎを持ってきていただくも看護師の食事介助ではなかなか進まないK氏。

しかし、娘さんとお孫さんが来院された際、表情が和らぎ自らベッドサイドへ座りサンドイッチを食べている姿が見られた。その際に、ピースサインをしてお孫さんと写真を撮られる姿もあり、家族の力を感じる瞬間であった。

その姿を見て、病棟主任より外泊の提案あり、チームにて相談。K氏にとって家族と過ごす時間が本当に大切であり、その時間を外泊を通して作ることができるのではないかと考え、娘さんへ相談。娘さんとの話の中でK氏が娘さんにとって本当に大切なお父さんであり、最期に寂しい思いをさせたくないという思いがあることを聴く。そのこともあり、快く受け入れてくださり週末の外泊へ。

当日、介護タクシーにて自宅へ向かっている際は硬い表情をされていたが、家に着き中に入ると徐々に表情が和らぎ、一度ベッドにて休まれるも家族の声掛けにより再度リクライニング車椅子に移乗し、リビングへ。病院では見られなかった笑顔も見られ、進まなかった食事もパイ菓子を1つ。お寿司を1パック。コーヒーやお味噌汁を数口とK氏にとっては本当にたくさん召し上がられていた。

その後付き添った看護師は帰宅。その後の外泊中も寝ているK氏の横でお孫さんが勉強をしたり、お孫さんの手作りのサンドイッチを食べたり、娘さんの手作りの魚料理を食べられたりと良い時間を過ごすことができたと娘さんより話を伺った。

この外泊を通して、家族の熱心でK氏を思う愛をみて、家族の力のすごさを感じたとともに、看護師として患者さんだけでなく家族を含めた看護をさらに意識していきたいと強く思った。